台風19号アンケート集計報告(3)

Q.9 自分たちでできる水害対策としてはどのようなことがありますか?

この設問では、さまざまなご意見が出ました。

多かったのは水や食料の準備(13名・以下回答者数)や、停電対策(8)。避難時持ち出し袋(5)や、非常用トイレ(2)など、日常の物資準備が大切という考えです。物資以外にも、垂直避難がスムーズにできるように日頃から住民どうしのコミュニケーションをとる(6)、浸水時のシミュレーションをしておく(6)、避難のルール作りをしておく(4)など、ソフトウェア面での準備も有効な対策と考えられます。

設備面では電気室など1階にあるライフライン設備への対策(12)、排水機能の点検(2)、備品としてボートを購入(2)など。

実際に避難する局面では、早期の避難(8)、車両の移動(8)、情報収集(5)などの対策が挙げられました。

Q.10 今後災害が起きたとき、起きそうなときに、力仕事や人数が必要な仕事を手伝えますか?

力仕事や人数が必要な仕事を手伝えるか

最後の設問では「力仕事」という言葉が入っていたせいか、ご高齢の方や女性から「力仕事はできない」と添え書きされた回答が多く見られました。今回は1階の電気室の前などに「吸水式土のう」を約80個作り、万が一に備えました。吸水式土のうはフェルト製の袋の中に紙おむつの中身と同じような吸水ポリマーが入っていて、水を含ませることで大きくふくらみ、効果を発揮するというものです。これをふくらませるのがかなりたいへんな作業であったため、防災対策チームでは土のうに代わる防水シートのようなものを備品として購入する予定です。

自由記入のご意見の中には、そういった作業をするときは一斉放送で手伝える人を呼びかけてもいいのではないかというものも複数ありました。

自由記入のご意見から

表面の余白にその他のご意見を記入された方は49名(31%)、裏面に詳細なご意見を記入された方は31名(20%)ありました。全館一斉放送を聞いたときや、避難しようか迷われたときのお気持ち、居住者どうしの助け合いがあったことなどの当日の様子から、水害と向き合っていくにはどうしたらいいか、水害対策についての提案といった発展的なご意見まで、さまざまな内容でした。中には図解付きの力作もあり、我々も感心しながら読ませていただきました。ここにその一部を掲載します。

台風、水害に関してはやはりマンション内で協力できる事から始めることが大切だと思います。(3号棟7階)

ここに住む高齢の知人と連絡を取り、1階の人を受け入れて様子を見つつ、7階の人に万が一の際の避難の打診をした。 (3号棟2階)

1階からは多摩川の様子がわからないので、専用庭の雨水ますが逆流したら避難しようと思っていた。(3号棟1階)

ふだん交流のない上層階の方が来られ、自宅を避難先として申し出られました。知人宅に避難することになっていたので辞退しましたが、善意と勇気に感じ入りました。(3号棟1階)

避難所は人口から考えてスペースが十分ではないと思っていたので、非常時は上層階の方に助けてもらおうと思っていた。なので館内放送があったときはとてもありがたかった。(1号棟2階)

小杉の報道を見て他人事じゃないと思いました。今後は防災訓練の際に、水害のときにどう行動すればいいのか、上層階で余裕のある人がどうお手伝いできるのかなど、共有できるとうれしいです。 (3号棟5階)

下の階の人が垂直避難をしなければならない場合、上の階の人と多少でも顔見知りであれば違うのかもしれない。防災訓練の時などに上下階の人たちが顔を合わせておくこともよいのでは。(3号棟4階)

全館一斉放送は適切であったと思います。ただならぬ状況になっているという緊張感が走りました。我が家は大丈夫という根拠のない思い込みで避難が遅れるケースも多かったようです。 (3号棟6階)

館内放送は上層階に知人がいない我が家にとってはありがたかったです。上層階のエレベーター前から階段あたりに避難しようかと思っていました。でも玄関前に人がいるのもご迷惑かなという気持ちもありました。「上層階の方は協力を」という言葉は心強いものでしたが、具体的にどのような協力をしてもらえるかは各ご家庭それぞれなのではと思いました。どのお宅が協力可なのか、具体的にどのような協力をしてくださるのか、ということを示してくださると、低層階に住むものとしてはお願いしやすいなと思いました。(3号棟2階)

一斉放送では上層階に避難をとのことでしたが、具体的にどのような行動をとればよいかわかりませんでした。(2号棟1階)

一斉放送を聞いて1階に降りてみたがなにもできず、周りの様子もわからず困惑しました。避難を上層階にと伝えられても困られたと思う。選択肢のある避難も必要ではないか。(3号棟8階)

国土交通省関東地方整備局のライブカメラがパーク・ハイムのすぐそばにあるので水位をチェックできてよかった。(1号棟4階)

午後6時頃に土のうを準備されていたとは知りませんでした。知っていたらお手伝いしたかったです。また、1階の電気室の存在も知りませんでした。停電して館内放送ができなかったら、どのように行動すべきかもっと迷っていたと思う。(3号棟9階)

このような立地に住んでいるので、今後いつ水害が起こってもおかしくないと自覚しておく必要があると思います。土のうの設置など、マンパワーが必要なときはいつでも協力して、自分たちでしっかり防災をやっていきたいと思います。早め早めに一斉放送で呼びかけていただきたいです。住人皆でここでの生活を守っていけたらと思います。 (3号棟10階)

確率から言えば必ず来ると言える災害に対し、マンション全体で十分な想定、対策が必要です。一度でもマンションが被災すれば資産価値が一気に下がるので、多少費用を使ってでも有効な対策を施す必要があると思います。また、周辺のコミュニティーとの連携、狛江市との協力のもと、河川の整備を進める提言をしていきたい。(3号棟6階)

建て替えの際は専門的な見地からの案は数多くあると思うが、電気系統の安全性確保と、住居は3階以上にし、1・2階は共用室なり店舗なりのスペースとしておくことで水害対策になると思う。(3号棟9階)

将来建て替えのときは氾濫や浸水があっても大丈夫なように電気設備、主要設備は3階から入室する別棟にし、(断水時などの物資輸送用に)階段を上り下りできる簡易運搬機を各階段に配備するといい。エレベーター内にある表のように、台風・地震別に使えなくなる設備を一覧表にして周知することも有効。強風対策としては養生テープではなく飛散防止フイルムを勧める。(3号棟7階)

今回、鶴見川の遊水池(日産スタジアムのところ)が十分機能し、氾濫を免れたそうです。狛江でも水道局用地をそのように整備すると安心安全な街になると思います。(2号棟4階)

これらをはじめ、寄せられたご意見は今後の防災対策チームの活動の参考にさせていただきます。たくさんの貴重なご意見をありがとうございました。